FOREDOOM / LAB RECORD 1461

AI時代に、会社のWebサイトはどうあるべきか。

自社サイトを「会社案内」から「実験と知識が蓄積する場所」へ作り直した記録

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foredoom.jpのTOPページ。濃紺の背景に「AIで、企業の情報と仕事の仕組みを変える。」というメッセージを表示。

Web制作を中心に事業を続けてきたforedoomですが、最近はAIを活用した開発や業務の自動化など、仕事の幅が少しずつ広がってきました。

一方、これまでの自社サイトはWeb制作の紹介が中心で、新しい取り組みを十分に伝えられていない状態でした。

AIを使って何ができるのか。実際の仕事に取り入れると、何が変わるのか。

そうした疑問に対して、サービス内容を紹介するだけでなく、自分たちで試したことや、その過程も発信できる場所が欲しいと考えるようになりました。

そこで取り組んだのが、foredoom.jpの再構築です。

2026年9月24日に公開したVersion 1は、単なるデザインのリニューアルではありません。自社サイトそのものを、新しい技術や仕事の進め方を試すための実験環境として位置づけています。

完成した仕事だけでは、伝わらないものがある

Web制作の実績として紹介するのは、一般的には完成したサイトです。どんなデザインで、どのような機能があり、何を実現したのか。もちろん、それらは大切な情報です。

ただ、実際の仕事では、完成に至るまでにさまざまな試行錯誤があります。

新しい技術を取り入れてみたものの、思うような結果が得られないこともあれば、途中で方針を変更することもあります。検証を重ねた結果、あえて導入を見送る場合もあるでしょう。

特にAIを活用するようになってからは、こうした判断の機会が増えています。

例えば、人が行っていた作業をAIに任せれば、必ず効率が上がるとは限りません。自動化の準備や検証に思った以上の時間がかかり、従来の方法を続ける方が合理的という結論に至ることもあります。

そうした経験は、完成した制作物だけではなかなか伝わりません。

しかし、うまくいかなかった理由や、途中で方向を変えた判断にも、次の仕事につながる価値があるはずです。

今回のサイト再構築では、完成した実績だけでなく、そこに至る過程も残せる場所を作ることが、大きな目的のひとつになりました。

「何ができるか」だけでなく「何を試しているか」も伝える

新しいサイトでは、従来の事業紹介に加えて、LAB・Journal・Casesという3つのコンテンツ領域を設けています。

LABは、実際に試したことを記録する場所。

AIやWeb、自動化などをテーマに、何を試し、どのような結果になったのかを残していきます。成功だけでなく、失敗や判断保留も対象です。

Journalは、そこから得た気づきや考えをまとめる場所。

日々の仕事や実験を通じて感じたこと、技術との向き合い方、これからの仕事についての考察などを扱います。

Casesは、実際に形にした仕事を紹介する場所。

Webサイト制作や業務の仕組みづくりなど、具体的な取り組みや成果を紹介します。

この3つを分けたのは、単にコンテンツを増やすためではありません。

例えば、ある業務の自動化に取り組んだ場合、LABでは試した方法や検証結果を記録し、Journalではその経験から考えたことを掘り下げる。そして、実際に運用できる仕組みとして形になれば、Casesで紹介する。

同じ取り組みでも、どの視点から伝えるかによって、情報の役割は変わります。

こうした記録が少しずつ増えていけば、foredoomが何を考え、どんなことを実際に試しているのかも、より具体的に伝わるのではないかと考えています。

将来的には、人が読むだけでなく、AIがこうした情報を適切に参照できる仕組みにも発展させたいところです。ただし、その効果については、これからの検証課題として残っています。

考えた構造が、そのまま伝わるとは限らなかった

LAB、Journal、Casesの役割は、設計段階ではそれぞれ明確になっていました。

ところが、実際にトップページへ配置してみると、少し違った問題が見えてきます。

3つの領域が、似たようなコンテンツの並びに見えてしまったのです。

作る側はそれぞれの違いを理解していても、初めて訪れる人が同じように受け取るとは限りません。

LABとJournalは何が違うのか。Casesとはどう使い分けているのか。

説明を読めば分かるとしても、見た目から役割を感じ取れなければ、情報を分けた意味が十分に生かされません。

そこで、各領域の役割を改めて整理し、画面上の見せ方や視覚的な階層も調整することになりました。

今回掲げているテーマのひとつが、「人にもAIにも理解されやすいWeb」です。

AIに情報を正しく伝える仕組みを考える前に、そもそも人が見たときに分かりやすい構造になっているか。

実際に画面を作ってみると、設計書の上では気づきにくかった課題が見えてきます。

情報を整理することと、その違いを自然に伝えることは、必ずしも同じではないようです。

サイトの作り方も、AIを前提に変えてみた

今回の再構築では、サイトの内容だけでなく、制作方法についても新しい進め方を試しています。

WordPressの専用テーマ「foredoom」を新たに開発し、その実装を担当したのがOpenAIのCodexです。

Codexは、指示に基づいてコードの作成や修正を行うAIで、今回はPHP、CSS、JavaScriptなどの実装に活用しています。

一方、サイト全体の構成やデザイン、掲載する文章、情報の見せ方などは、人が確認しながら進める形を採りました。

トップページは8つのセクションに分け、それぞれを独立した部品として構成しています。特定のセクションだけを修正したい場合にも、ほかの部分への影響を抑えながら調整しやすくするためです。

また、公開中のサイトをそのまま維持し、WordPressのプレビュー機能で新しいテーマを確認しながら開発を進めています。

既存の写真や一部コンテンツについては引き続き利用し、必要な部分を新しく作り直す方針です。

新しい技術を使うこと自体が目的ではなく、実際の制作に無理なく取り入れられるか。その点も、今回試してみたかったことのひとつでした。

AIにコードを任せても、判断はなくならない

今回の開発では、コードを書く作業をCodexに任せる一方で、その結果を確認し、必要な修正を判断する工程は人が担当しています。

例えば、デザインの実装自体はAIで進められても、意図した印象になっているか、文章が読みやすいか、情報の優先順位が適切かといった確認は欠かせません。

LAB、Journal、Casesの見せ方を調整したのも、その一例です。

技術的には正しく表示されていても、それが分かりやすいデザインになっているとは限らないからです。

また、顧客案件を扱う場合には、どこまで情報を公開してよいかという判断も必要になります。

AIが実装を担えるようになったことで、むしろ人が確認すべき部分が見えやすくなった面もあります。

もちろん、すべての作業がAIによって自動化されたわけではありません。今回も画面を確認しながら修正を重ねる工程がありました。

ただ、実装そのものをAIへ任せられるのであれば、その分、人は情報設計や表現、使いやすさといった部分に時間を使える可能性があります。

なお、従来の方法との厳密な工数比較は行っていないため、今回どれほどの時間が削減できたかについては、数値で評価できる段階ではありません。

完成形を目指さず、Version 1で公開した

新しいサイトで実現したいことは、当初から数多くありました。

AI検索への対応や、実験記録を継続的に蓄積する仕組み。さらに、記事の制作や管理をAIと連携させる構想もあります。

ただ、すべてを一度に実現しようとすると、公開までに多くの時間が必要になります。

そこで今回は、まず企業サイトとして必要な構造を整え、Version 1として公開する方針を選びました。

公開日は2026年9月24日。

この時点では、AI検索への本格的な対応など、まだ手を付けていない部分も残っています。

それでも、構想している機能がすべて揃うまで待つより、まずはサイトを公開し、実際に使いながら次の段階へ進む方が、今回の目的には合っていました。

Version 1という名前には、そうした考え方も込めています。

完成形を固定するのではなく、実験や活動の変化に合わせて、少しずつ育てていくサイトです。

公開後も、サイトの中身は変わり続けている

Version 1公開の翌月、2026年10月にはLABの記事を管理する仕組みの開発が始まりました。

この機能では、記事の内容や分類を管理する部分と、実際に画面へ表示する部分を分けています。

WordPressの専用プラグイン「foredoom-core」が記事のデータ構造を担当し、表示はサイトのテーマ側で管理する形です。

少し技術的な話になりますが、これは今後デザインを変更した場合にも、蓄積した記事の情報をできるだけ独立して扱えるようにするための設計です。

また、LABでは実験の進行状態を次の3つに分類しています。

  • TESTING:現在検証しているもの
  • MONITORING:継続して経過を観察しているもの
  • COMPLETED:いったん検証を完了したもの

実験は必ずしも、成功か失敗かのどちらかで終わるわけではありません。

ある程度結果が出ても、その後の変化を見守る必要があったり、新しい技術の登場によって再検証が必要になったりすることもあります。

そうした途中経過も含めて残せるように、記事の管理方法も考えています。

まだ運用を始めたばかりですが、今後LABの記事が増えていく中で、この仕組みがどこまで使いやすく機能するのかも確かめていく予定です。

foredoom Labの一覧画面。ローカルLLMの実験記事とforedoom.jp再構築の記事を、画像・Status・Topics・公開日とともに表示。
公開後に追加したLAB一覧(2026年10月24日)。実際の実験記事を、Status・Topicsとともに蓄積しています。

今回、実際にできたこと

2026年9月のVersion 1公開から、10月のLAB機能追加までを振り返ると、当初考えていた方向へ少しずつ進めていることが分かります。

まず、Web制作や事業内容を紹介するだけだったサイトに、実験や考察、実績を継続して発信できる構造が加わりました。

制作方法についても、Codexを活用した専用テーマの開発を実践できています。

そして、公開後にはLABの投稿機能を追加し、実際に記事を蓄積していくための環境づくりも始まっています。

一方で、まだ確認できていないこともあります。

今回の情報設計によって、訪問者がサイトの内容をどれだけ理解しやすくなったのか。また、AIがサイトの情報をどの程度正確に読み取り、活用できるのか。

これらについては、今後の運用と検証を通じて評価していく必要があります。

Version 1でできたのは、あくまでその土台づくりです。

これからの会社サイトを、自分たちで試していく

AIがWeb制作や情報収集の中で使われるようになり、企業サイトのあり方も少しずつ変わっていくのかもしれません。

ただ、その変化がどのようなものになるのか、今の段階で答えを決めつけることはできません。

だからこそ、まずは自分たちのサイトで試してみようと考えています。

今後はAI検索への対応に加え、記事制作やコンテンツ管理を支援する「AI-native Content Pipeline」、蓄積した情報を使って質問に答える「Ask foredoom」なども検討しています。

いずれも、これから実験していく構想です。

その過程では、うまくいくこともあれば、思ったような結果が出ないこともあるでしょう。途中で方法を変えたり、取り組み自体を見送ったりする可能性もあります。

そうした経験も含めて記録していくことが、foredoom Labの役割だと考えています。

人にもAIにも理解されやすく、経験や知識が積み重なっていくWebサイトは作れるのか。

foredoom.jpを実際に運用しながら、これからもその答えを探していきます。

Experiment Record

対象foredoom.jp
取り組み企業サイトの再構築、情報設計、AIを活用したWeb開発
Version 1公開2026年9月24日
StatusMONITORING
確認できた結果Version 1公開、専用テーマ導入、LAB投稿機能の追加
継続課題AI検索対応、情報理解の評価、コンテンツ管理方法の検証

Update Log

  • 2026年9月24日 — foredoom.jp Version 1公開
  • 2026年10月 — LAB投稿機能の実装開始。記事データと表示機能を分離する構成を導入

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